訓練生の声 キャリアサポーター養成科 傾聴コラムVol.1

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キャリアサポーター養成科を修了された訓練生Sさんは、ライターという肩書をお持ちです。今回、キャリアサポーター養成科で力を入れている訓練内容である「傾聴」について思うことを書いていただきました。


   「なにを聞いてきたんや!雑談をさせに取材に出したんちゃうぞ!」
そう私が編集プロダクションの代表に叱り飛ばされたのは、本講座を受講させていただくわずか3か月前のことでした。フリーライターとして小さな記事を書いていた私はこの仕事に不可欠である“取材”がほんとうに苦手だったのです。

   与えられた少ない時間のなかで記事として必要最低限の情報を相手から聞き出さなくてはならない。情報のみならず取材対象者がなにを訴えたいのか、瞬時にそれを察する、話す側にとっても心地よい“聞き手”でもあること。これがいざやってみると難しい。
(情報を聞き出さなきゃ)という焦りから質問を繰り出そうとする。そうすると相手の話と被ってしまうのです。話が雑談に脱線することもある。そして相手がなにを訴えたいのか、一番大事なその点をはき違えてしまうこともありました。今思えば、「人の話を聞き出す」ということは、私にとってライターとして致命的な弱点といえるものだったのかもしれません。

   そんな私が本講座を受講させていただいた大きな理由はキャリアコンサルタントという職業に興味があったのは無論のことですが、そんな自分のウィークポイントから“傾聴”スキルを身につけたい思いからでした。
   それがいざ受講させていただくと、「○○さん(私)ほらクライアント(話し手)と話が被った!」「○○さん、話すぎ!カウンセラーがそんなペラペラ話さない!」やはり編集プロダクションで代表に叱り飛ばされていたようなご指摘を先生から受けました(笑)
しかし、3か月間受講させていただいてこれまでの人生のなかでこれほど面白い講座はなかったと自信をもって断言できることができます。

   私はライターの学校を卒業して、複数の編集プロダクションで小さな記事を書かせていただいていたのですが“人の話を聞く”ということに関して、ここまで細かな技法を学ぶことはなかったのです。
こちらをご覧の受講を検討されている皆さんは(ただ相手の話を聞くだけでしょ)と思われる方もいるかもしれません。でも、決してそうではありません。

   たとえば、実生活でも思い起こしていただきたいのですが、自分はストレスや悩みを抱え、まずは相手に聞いてほしいのに、その方からアドバイスや説教などが返ってきたことはありませんか?批判めいた言葉なんて返ってきたときにはさらに暗い気持ちにもなりますよね。

   傾聴は違うのです。相手の言葉、感情などを批判や評価などせず、まずはありのままを受け入れる。ありのままを受け入れるなかで相手の言葉や感情表現をそのまま繰り返す、まずは相手自身を“受け容れる”のです。話し手は不思議なもので、批判めいた言葉も説教がましいアドバイスもない。そうすると気持ちよく話してくれるようになります。私自身も3か月の受講で話し手も聞き手も体験してこれを強く感じることができました。そうすることによって2人の間に間違いなく良好な“信頼関係”が出来るのです。

   そこから徐々に相手の感情を“まとめ”ていく。不思議なものでそれまでの会話には垣間見ることのできなかった相手の心の奥底にある本心を引き出せることもあります。私もクラスメイトも相手との会話で(あれ、最初はこんなこと思っていなかったのにな)という自分の本心に“気づく”ことが何度あったかわかりません。ただ聞くだけではない。相手を理解する、相手と良い関係を築く「傾聴」は難しいですが、ほんとうに奥深く意義深いものです。

   また現在は稀にみるストレス社会。人間関係でストレスをためる方も多いなか、これほど社会生活で生かせるスキルもないと思います。

   「あれ、OOさん、ちょっとは上手くなってきたやん」
講座も中盤に差し掛かり、先生にそう褒めていただいたときは座学の勉強では決して得られない充実感を得ることが出来ました。
   また授業のなかで「相手を理解する」「良い関係を築く」という傾聴を繰り返してきたクラスメイトは、練習ではなく私のほんとうの“仲間”になりました。
   ライターとしての弱点を克服したい、思えばそんな動機で受講したこの講座でしたが3か月の間、私はかけがえのないものを与えていただいた気がします。感謝にたえません。

   この講座と「傾聴」は職業としてのスキルをあげてくれたのは無論のこと、私にとって、

“人生のスキル”“大切な仲間”を与えてくれたのですから……
2016年05月23日  カテゴリー: キャリア

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